10 オウバイ(モクセイ科)
 特徴:モクセイ科の落葉低木で、半つる性です。
     中国原産で、庭木として植えられています。
     2〜3月の早春、葉が開く前に、黄色い花を咲かせます。
 観察場所:埼玉県さいたま市(2006.3.12)
 一言:漢字で書くと「黄梅」。その名のとおり、黄色で、梅に似た花を咲かせます。でもよく比較してみると、ウメの花弁は5枚で、離弁花(花弁が1枚1枚分離している)なのに対し(本ページの4参照)、オウバイの花は6裂で、合弁花(花弁は全体で1枚で、さも6枚あるかのように裂けている)という違いがあります。似て非なるものですが、でも「黄梅」と名付けた方の感性ももっともかと思います。
   
よう壁に垂れ下がるオウバイ(2006.3.12撮影)      オウバイの花(2006.3.12撮影)



9 サンシュユ(ミズキ科)
 特徴:ミズキ科の落葉小高木です。
     中国原産で、花木として公園や庭に植えられています。
     3〜4月、葉が開く前に、黄色い花をたくさん咲かせます。
 観察場所:埼玉県上尾市(2006.3.4)
 一言:早春をつげる花にウメの花がありますが、梅園で黄色い花を見かけることはありませんか。もし見かけたら、このサンシュユかロウバイの可能性が高いのではないでしょうか。サンシュユは早春の公園、庭を彩る花の一つですね。花を咲かせる冬芽は丸く、葉を展開する冬芽は細長いので、冬芽を観察してみてもおもしろいです。
   
サンシュユ(2006.3.4撮影)          サンシュユの花(2006.3.4撮影)



8 サザンカ(ツバキ科)
 特徴:ツバキ科の常緑小高木で、西日本に自生します。
     園芸用に品種改良され、東日本でも庭木や生け垣などに植栽されています。
     10〜12月、白〜ピンク色の花を咲かせます。
 観察場所:埼玉県さいたま市(2005.12.11)
 一言:「さざんか さざんか 咲いたみち たき火だ たき火だ 落ち葉たき」の童謡で有名な花です。落ち葉をたき火にする季節に、サザンカの花が咲くことをよく観察していたからこその歌詞ですよね。先日の観察会の折りには、「サザンカが咲くと寒くなる」とおしゃっていた方もいらっしゃいました。我々人間に、冬が来たことを教えてくれる花ではないでしょうか。
   
サザンカの花(2005.12.11撮影)               サザンカの生け垣(2005.12.11撮影)



7 スベリヒユ(スベリヒユ科)
 特徴:スベリヒユ科の一年草で、日本全国の日当たりのよい畑などに自生します。
     葉は多肉質で、7〜9月、5弁の小さな黄色い花を咲かせます。
 観察場所:埼玉県毛呂山町(2005.8.20)
 一言:畑に生えると地べたをはって広がるやっかいな雑草ですが、朝日をうけて黄色い花を一面に咲かせる姿は、雑草と一言で片づけるにはもったいないものがあります。さらに、やわらかい茎はゆでておひたしなどで食用となるらしく、ここまでくるともはや雑草とは呼べなくなりますね。一度は食べてみようと思っています。
   
スベリヒユの花(2005.8.20撮影)           畑に生えるスベリヒユ(2005.8.20撮影)



6 ナガミヒナゲシ(ケシ科)
 特徴:ヨーロッパ原産で各地の路傍や河原などに生えるケシ科の一年草です。
     4〜5月、オレンジ色の花を咲かせます。
 観察場所:東京都国立市(2004.5.3)、埼玉県さいたま市(2005.5.3)
 一言:ヒナゲシの仲間はポピーの名で知られ、日本各地で観賞用に植栽されています。本種はそんなヒナゲシの仲間で、実が長細いことからナガミヒナゲシの名があります。近年、都市の道ばたや線路沿いでよく見かけるようになってきています。オレンジ色の花は夕日を連想させる鮮やかさがあります。
   
線路沿いのナガミヒナゲシ(2004.5.3撮影)         ナガミヒナゲシの花(2005.5.3撮影)



5 ジンチョウゲ(ジンチョウゲ科)
 特徴:中国原産で日本各地に観賞用に植栽されているジンチョウゲ科の常緑低木です。
     3〜4月、枝先に香りのよい花を半球状に咲かせます。
 観察場所:埼玉県さいたま市(2005.4.2)
 一言:「淡き光立つ にわか雨 いとし面影の 沈丁花 溢るる涙の 蕾から ひとつ ひとつ 香り始める・・・」松任谷由実のヒット曲「春よ、来い」のフレーズです。あの何ともいえない香りが漂うと、街にいながら、春が来たことを感じさせてくれます。排気ガスに強く、街中の公園や庭に好んで植栽されているので、街にもあの香りが漂うのですね。この香りをホームページで紹介できないのが残念です。
    
ジンチョウゲ(紅花)(2005.4.2撮影)  ジンチョウゲ(白花)           街中に植栽される



4 ウメ(バラ科)
 特徴:中国原産で日本各地に栽培されているバラ科の落葉小高木です。
     2〜3月、葉が開く前に白や紅の花を咲かせます。6月頃、丸い果実が黄色く熟します。
 観察場所:東京都国立市(2005.2.11)
 一言:ウメの花に「春がもうそこまでやって来ていますよ」と話しかけられているような錯覚を感じる方はいないでしょうか。ウメは古来から日本人の生活に欠かせない花の一つとして定着しています。筆者も子供の頃、ウメの実を採取し、祖父母が家で梅干しを作っていたことを思い出します。家で作った梅干しは妙にすっぱかった思い出があります。
      
梅園(2005.2.11撮影)         紅梅(2005.2.11撮影)         白梅(2005.2.11撮影)



3 サルビア(シソ科)
 特徴:南米原産で日本に持ち込まれたシソ科の1年草です。
     様々な品種、色の花が夏から秋にかけて花壇で見ることができます。
 観察場所:埼玉県熊谷市(2004.10.22)
 一言:「彩の国まごころ国体」のメイン会場だった熊谷スポーツ文化公園は、その日のために地元の子供たちが育て上げた草花のプランターで埋め尽くされていました。その1つにサルビアがありましたが、子供たちのメッセージと、真っ赤な花(がく)とバックの噴水とのコントラストがとても印象に残りました。
   
サルビアと噴水(2004.10.22撮影)             サルビアのがく(2004.10.22撮影)



2 セイタカアワダチソウ(キク科)
 特徴:北アメリカ原産で日本に帰化したキク科の多年草です。
     10月〜11月、黄色い花をたわわに咲かせます。
 観察場所:東京都国立市(2004.10.11)
 一言:戦後、鉄道沿いの空き地を利用して急速に分布域を拡大したので、別名で、「鉄道草」とも呼ばれています。また、地下茎から、他の植物の生育を阻害する物質を分泌し、セイタカアワダチソウだけの群落を形成します。この作用はアレロパシー作用(他感作用)と呼ばれ、植物の生存戦略の一つといわれています。
   
セイタカアワダチソウの花(2004.10.11撮影)       鉄道沿いに分布を拡大する(2004.10.11撮影)



1 モチノキ(モチノキ科)
 特徴:モチノキ科の常緑高木で、宮城県、山形県以南の本州、四国、九州の海岸沿いの産地に自生します。
     内陸部でも庭木や公園樹としてよく植栽されます。
 観察場所:埼玉県さいたま市(2004.9.19)
 一言:昔は、枝の樹皮を剥いで水につけ、臼でついて「鳥もち」を取りました。今ではそのような光景はほとんど見られないと思いますが、「モチノキ」という名前の由来からそれをうかがい知ることができます。写真のモチノキは駐車場の隣のアパートの敷地に植栽されているもので、毎年鮮やかな赤い実をたわわに実らせます。
    
モチノキの実(2004.9.19撮影) 葉っぱが白く見えるのは、浅間山の火山灰です  高層ビルとモチノキ



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