第15回 リサイクルリース

 今年もクリスマスの季節がやってきました。筆者は、常々、山はゴミの山ではなく、山は宝の山であると考え、実践し、伝えてきました。スギやヒノキに巻き付くアケビやフジのつる、林業の世界では邪魔者、ゴミとしか見られませんが、見方を変えると立派な資源、宝にもなり得ます。今回は、我が家の庭からでる剪定枝(ゴミ)がクリスマスリース(宝)に変身する様子をご紹介します。

 今回の主役は我が家のフェンスの緑化用に植えられているアケビです。詳しくは「庭の植物」の第12回で取り上げていますので、そちらも参照してください。アケビのつるは成長が旺盛ですぐのびてしまいます。そこで、のびたつるを剪定するのですが、そのまま捨ててしまうのではもったいないので、天日で乾燥させ、葉を落とし、リースの材料としました。
   
アケビのつる(2004.12.26撮影)               剪定したアケビのつる(2004.12.26撮影)

 乾燥したつるをまるめ、リースを編みます。最初はとまどうかもしれませんが、そんなに難しい作業ではありません。ただ、出来上がりの形をまん丸にするには、何個も作って経験を積むことが大事だと思います。
 次に、編み上げたリースを飾り付ける材料も、我が家の庭から調達することとしました。まず目に付いたのは、季節はずれに花を咲かせていたワレモコウです。今年の冬は暖冬で、全国各地でウメやスイセン、ツバキなどが例年より50日とか60日とか早く開花したとのニュースが聞かれました。我が家のワレモコウも夏に花を咲かせた後、この季節にもう一度花を咲かせています。もう一つの材料はキンモクセイの剪定枝です。キンモクセイについても、「庭の植物」の第9回で紹介していますので、あわせて参照してください。
   
ワレモコウの花(2004.12.26撮影)              キンモクセイの葉(2004.12.26撮影)

 さて、編み上げたアケビのリースにワレモコウの花とキンモクセイの剪定枝を飾り付け、クリスマスリースが完成しました。我が家の庭の植物、それも普通であればゴミとなる剪定枝を中心に用いて作り上げた、その名もリサイクルリース。派手さはありませんが、素朴な味わいがあると思います。
 今年は4個作成し、お世話になったご近所に差し上げました。来年以降はさらに技術を高めて、数を増やして、多くの方に、アイデアしだいでゴミも資源になることを伝えられたらと思っています。
   
リサイクルリース(2004.12.19撮影)             リサイクルリース3個(2004.12.19撮影)



第14回 きのこ観察会

 埼玉森林インストラクター会では、埼玉県横瀬町にある「埼玉県県民の森」をフィールドに、年間6〜7回の自然観察会を実施しています。平成16年9月18日(土)、「初秋の森とキノコ」をテーマに、今年度5回目の観察会を開催しました。今回は、埼玉インストラクター会の秋山、木口、そして筆者の3人で講師をつとめました。

 毎年この会は人気が高く、今年も31人の参加がありました。しかし、1〜2週間雨が降ってなかったため、きのこが出ているか不安を抱えたままのスタートとなりました。まずきのこの大まかな分類や、きのこの見分け方のポイント、きのこを採るときの注意点などを解説しました。さらに、もしきのこが無かったときのためにと、埼玉インストラクター会の会長が採取してきたサクラシメジとウラベニホテイシメジを、食用キノコの例として解説しました。
 さらに、きのこの胞子を理解してもらうため、ドクツルタケの傘を黒い紙の上に置いて、胞子紋を取る実験を試みました。観察会の後、立派な胞子紋に参加者のみなさんも感心していました。(筆者も感心しました。)
   
まず食用きのこを観察(2004.9.18)             ドクツルタケの胞子紋(2004.9.18)

 準備体操ののち、いざ出発しました。管理棟の裏を登り、野外活動センターへ続く尾根道を目指しました。尾根道の両側には、ミズナラを中心とする冷温帯の落葉広葉樹林が広がっており、きのこの種類も豊富なポイントです。
 「あったー」、「うわーこれ何ですか?」、いろいろなところから声があがり始めました。その場で同定できないきのこも多く、慎重に採取し、会の最後の同定に備えました。
 きのこが豊富なポイントで、地元の方々がよく山に入っているため、残っているのは雑きのこか毒きのこが多かったようです。中でも、食用のウラベニホテイシメジとよく似ているクサウラベニタケとドクツルタケを多く見ることができました。それでもウラベニホテイシメジやカワムラフウセンタケ、チチタケなどの食用きのこも採取することができました。ひとしきり歩き回った後、尾根を下り、芝生の広場で昼食を取りました。

 昼食の後、きのこと森の関係、特に森の分解者としてのきのこの重要性について解説しました。単なるきのこの観察で終わらせずに、森の中でのきのこの役割を理解してもらうことで、参加者のみなさんの興味が広がることを期待しています。
 食後はあるきのこにターゲットをしぼって、そのきのこがよく発生するポイントを目指しました。すると・・・「あーっ、あったー」と、歓声があがりました。そのきのことは、タマゴタケです。真っ赤な傘と黄色で紋が入った柄が特徴の食用きのこです。毒きのこのベニテングタケと似てはいますが、傘に白い粒々がない、柄が黄色いことなどで見分けがつきます。バター炒めにするととてもおいしいきのこです。
 その後、スギ林の中を登って管理棟へ向かいましたが、あまりきのこは見られませんでした。登り道がきつくなってきた頃、無事、管理棟へ到着しました。

   
採ったきのこの同定(2004.9.18)              きのこを囲んで記念撮影(2004.9.18)

 一息入れた後、採取したきのこをテーブルの上に並べ、きのこの同定を行いました。参加者の中にきのこアドバイザーの方や、地元芦ヶ久保在住できのこに詳しい方もいて、採取したきのこを食用きのこ、毒きのこ、雑きのこと並び替え、それぞれの特徴をみんなで話し合いました。名前もわからないきのこも含めて、ざっと20種類以上のきのこを採取することができました。
 中でも食用きのこのタマゴタケ、ウラベニホテイシメジ、コウタケ、カノシタあたりが主な収穫でした。雨が少なくきのこが出ているか不安でしたが、30人以上で一斉に捜索した結果、多くのきのこを観察することができました。後で考えるに、雨が少なく、地元の方々があまり山には入らず、その間にほそぼそとではあるけど、きのこが姿を現したのではないかな、と思いました。今回の観察会は筆者自身も非常に勉強になった観察会でした。
 最後に、今回観察されたきのこの一部を紹介します。

  
ウラベニホテイシメジ        クサウラベニタケ           カワムラフウセンタケ
  
タマゴタケ               ドクツルタケ             サンコタケ
  
コウタケ                カノシタ                ホコリタケの仲間



第13回 豊水を狩る・彩玉を食す

 「知る人ぞ知っている」のですが、埼玉県は梨の産地です。全国的に見ると「二十世紀」を主力とする鳥取県が一大産地でしたが、ここ数年の間で「幸水」を主力とする千葉県に、生産量1位の座を受け渡しました。平成14年の生産面積でいくと1位の千葉県、2位の茨城県、6位の栃木県と関東地方が上位を占めており、それについで、埼玉県は全国第7位の生産面積を有しています。
 一方県内に目を向けると、1位の白岡町、2位の菖蒲町、3位の蓮田市など東部地域と、4位の神川町、7位の上里町の北部地域が2大産地となっています。このほかの地域でも秩父地域を除く県内各地で広く梨が栽培されています。

梨の生産面積全国順位・埼玉県内順位

順位 全国(ha) 埼玉県(ha)
千葉県(1,670ha) 白岡町(103ha)
茨城県(1,630ha) 菖蒲町(93ha)
鳥取県(1,520ha) 蓮田市(84ha)
福島県(1,170ha) 神川町(62ha)
長野県(1,030ha) 騎西町(57ha)
栃木県(896ha) 久喜市(43ha)
埼玉県(707ha) 上里町(36ha)
(16,100ha) (707ha)

 このように梨の産地埼玉県に住んでいるので、去る9月4日(土)に桶川市の小島農園さんを訪れ、梨狩りを楽しんできました。例年だとこの時期は「豊水」の走りなのですが、今年は猛暑だったため、梨の生育が早く、すでに「豊水」も終わりかけているような状況でした。しかし、夏の暑さのために糖度がのり、今年の梨はとても甘くなっているとのことでした。「豊水」を2,000円で約10個収穫できました。
    
たわわに実った「豊水」(2004.9.4撮影)            「豊水」を狩る(2004.9.4撮影)

 梨狩りに先立ち、埼玉生まれの埼玉育ちという梨を食べる機会に恵まれました。その名も「彩玉(さいぎょく)」といいます。「彩玉」は久喜市にある埼玉県農林総合研究センター園芸研究所(旧園芸試験場)が育成した梨の新品種です。特徴としては、収穫時期が8月下旬で、8月上〜中旬に収穫できる「幸水」と、9月上〜中旬に収穫できる「豊水」のはざまに収穫でき、生産者の労力の分散が図られる点があげられます。さらに、重さが平均で550gあり、幸水(平均300g)、豊水(平均400g)に比べて大きく、糖度が13〜14度で豊水と同程度で幸水よりも甘いという特徴を持っています。そこでつけられたキャッチフレーズが「みずみずしい甘さのジャンボ梨」です。

 来年度からの本格販売を前に、今年の8月28日、29日にさいたま市北区の「ステラタウン」内のイトーヨーカ堂で、限定800個の試験販売が行われました。大玉のものは箱入り2個で900円と高価なものでしたが、贈答品としてかなり需要が期待できそうな雰囲気でした。結果は2日間で完売したそうで、来年に向けてよいスタートがきれたみたいです。

 家に帰って豊水と食べ比べてみましたが、甘さは彩玉の方が若干強かった気がします。また、豊水は独特の酸味がありますが、彩玉は酸味がなく、すっきりとした、みずみずしい甘さでした。また、普通大玉の梨はざらざらした食感となるのですが、彩玉はなめらかでシャキッとした食感でした。新しい「埼玉ブランド梨」として大いに期待が持てそうな気がしました。
    
「彩玉」(2004.8.28撮影)                    「豊水」(左)と「彩玉」(右)(2004.8.28撮影)

 「彩玉」に関して詳しく知りたい方は「埼玉県農林総合研究センター園芸研究所」のホームページをご覧下さい。
 http://www.pref.saitama.jp/A06/BQ21/index.htm



第12回 高峰山に登る

 平成16年8月7〜9日、2泊3日の夏休みを取り、信州高峰高原に行って来ました。菱野温泉薬師館に宿泊し、8月8日(日)、いよいよ高峰山登山へ向かいました。車坂峠に車を置き、高峰神社の鳥居をくぐり、いざ出発です。
 車坂峠の標高は1973mで、周囲はすでに亜高山帯の様相です。ただ、浅間山の噴火の影響から、発達した常緑針葉樹林はみられず、陽樹のカラマツが優占する林の中を登り始めました。

   
車坂峠を出発(2004.8.8撮影)※以下同日         カラマツ林を登る

 カラマツ林は亜高木層、低木層、草本層の3層からなっていました。それぞれの層には下表のような植物を見ることができました。道中は、別名浅間ブドウと呼ばれるクロマメノキの実が紺色に熟していました。ほかにもナガバモミジイチゴやオオバスノキなどの果実もあり、山のフルーツを味わいながら山頂を目指しました。

亜高木層 低木層 草本層
カラマツ ハクサンシャクナゲ ツリガネニンジン
ダケカンバ ナナカマド ヤマハハコ
ミヤマハンノキ レンゲツツジ ウスユキソウ
ゴヨウマツ オオカメノキ ネバリノギラン
ホツツジ オミナエシ
ウスノキ マイヅルソウ
オオバスノキ ノアザミ
ミネカエデ クロマメノキ
ワレモコウ
ハンゴンソウ
シラタマノキ

 尾根に出るとカラマツがさらに矮小化し、カラマツ低木林となりました。ガレ場や岩場にはイブキジャコウソウやイワカガミが生育していました。さらに尾根筋を進み、高峰温泉との分岐を左折した西側斜面には、林床が立派なコケで覆われたコメツガ林が生育していました。浅間山の噴火の影響のがれた斜面だったのか、本来の亜高山帯針葉樹林の一端を垣間見ることができました。

   
矮小化したカラマツ低木林                  林床がコケに覆われたコメツガ林

 分岐を過ぎ、程なくすると、標高2106mの高峰山の山頂に到着しました。山頂からは南西方向を中心に視界が開け、小諸の市街地を見下ろすことができました。ただ、残念ながら快晴とは行かず、本来なら見られるはずの八ヶ岳や北アルプスの山々は山裾が見えるだけで、雄大な山塊を見ることはできませんでした。山頂の岩場では、ヒメシャジンの青い花を見ることができました。

   
山頂から小諸市街を望む                   山頂でニーッ

 山頂から分岐まで引き返し、高峰温泉方向へ下りました。林床がササに覆われたカラマツ林を下っていくと、一面ヤナギランの草原に出くわしました。ヤナギランと一緒にクガイソウ、ヨツバヒヨドリの花も見ることができました。ほどなく高峰温泉のバス停に到着しました。
 昨年の夏の草津白根山ではずーっと背中に背負われていた息子も2才になり、今回の登山では行程の10分の3ぐらいは自分の足で歩くことができました。亜高山の植物を堪能し、息子の成長も実感し、とても充実した登山でした。
 最後に今回見られた植物の一部を紹介します。

  
マツムシソウ             ノアザミ                ウスユキソウ
  
クロマメノキ              シラタマノキ              ヒメシャジン
  
ヤナギラン               ヨツバヒヨドリ             クガイソウ



第11回 通信員ニュース6本

 平成15年度の1年間、筆者は森林文化協会の通信員を担当していました。その1年間に、埼玉県の森林や緑に関するニュースを6本配信しました。今回はその6本のニュースをどどっと一気に紹介します。

@「埼玉森林サポータークラブ」の活動

 平成9年1月21日に発足した「埼玉森林サポータークラブ」が発足7年目を迎え、県内各地で積極的な森林づくり活動を展開している。
 県民参加の森林づくりを推進するため、埼玉県の呼びかけにより発足した同クラブが、平成14年4月18日にNPO法人に認可され、より自立した団体として成長を続けている。現在の会員数は644人を数える。
 平成14年度は12月末までに下刈りや除・間伐を中心とした森林ボランティア活動を、埼玉県内各地で18回実施した。その他にも年4回のニュースレターの発行、県植樹祭などイベントへの参加など幅広い活動を展開している。
 新規会員も随時募集しており、興味のある方はぜひ下記アドレスまでアクセスしていただきたい。
 http://www.supporter-club.org/
    埼玉森林サポータークラブ
                    
                                            手入れのよい平地林
A武蔵野の雑木林「くぬぎ山」再生へ提言

 平成15年3月27日、「くぬぎ山自然再生計画検討委員会」が埼玉県知事へ「くぬぎ山」の保全に関する報告書を提出した。
 埼玉県所沢市、狭山市、川越市と三芳町にまたがる雑木林「くぬぎ山」(約150ha)の保全を目的とした報告書がまとまった。
 提言は4つの基本方針と9つの実施方針からなる。例えば、都市公園法などを活用して既存の産廃処理施設の移転を図るとともに、都市緑地保全法に基づく緑地保全地区とすることなどが盛り込まれている。このほか、雑木林保全基金の創設や、都市住民と農家の交流なども提案している。
 武蔵野の自然のシンボル「くぬぎ山」は、近年、ダイオキシンなどの環境被害が問題となっていたが、県は今回の提言を受けて、「くぬぎ山」再生に向けて諸施策を展開していくこととなる。詳しくは県みどり自然課のホームページを参照していただきたい。 http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BD00/top.htm
  

B「秩父材」キャッチフレーズ決定!

 「ちちぶ農林業・農山村活性化プロジェクト21」の中の「秩父産木材の利用拡大(木が香る秩父地域づくり)」チームが、活動の一環として、秩父地域の木材をPRするキャッチフレーズを選定した。
 秩父市をはじめとする9市町村からなる埼玉県の秩父地域は、森林率が85%に達し、埼玉県の森林の実に60%を占める森林地域である。民有林の人工林率は50%を超え、循環型森林整備の実現のためにも、伐期を迎えたスギ、ヒノキ材の利用推進を図る必要がある。
 そこで、埼玉県秩父農林振興センター内にプロジェクトチームが結成され、様々な課題に取り組んできた。その中で今回、秩父材PRのキャッチフレーズを募集した結果、応募総数40点の中から、七五調の標語2点、物語調のもの1点がキャッチフレーズとして選定された。
○ 秩父谷 がんこに育った 秩父材
○ さわやかな 呼吸(いき)が聞こえる 秩父の木
○ 花のお江戸は東(ひんがし)の 堀を成したる荒川を 
  グッと上がれば埼玉よ さらに源辿ってみれば 天下の瞼や秩父谷
  鹿も引くよな山肌を ゆらり山主(あるじ)の背に負われ
  世の為にぞと植えられて 凍てつく冬にめげもせず
  照りつく夏にも背を伸ばし 山に在ること数十年 粘りの強さを培った
  これが秩父の気質(木質)のよさよ
 これらはポスター、シールなどに利用され、秩父材の知名度アップに一役買っている。秩父の森林・林業の情報は秩父農林振興センターのホームページまで。 http://www.pref.saitama.lg.jp/A06/BX01/toppage.htm
     
      秩父材PRシール
                      
                                         新品種「彩の子」
Cハタケシメジ新品種「彩の子」誕生!

 埼玉県農林総合研究センター森林研究所は、ハタケシメジの新品種「彩の子」の育成に成功し、農林水産省に品種登録の出願を行った。
 「生産林業所得統計報告書」によると、平成13年次の林家の林業粗生産額に占める部門別粗生産の割合は、木材生産が約40%、栽培きのこ類生産が約60%と、林業収入の約6割をきのこ類に依存し、全国の林家にとってきのこ類の生産は現金収入を得る重要な部門となってきている。
 埼玉県農林総合研究センター森林研究所では、林家の現金収入に貢献できる「彩の国ブランド」きのこづくりに取り組んできたが、このたび、ハタケシメジの新品種「彩の子」の育成に成功し、農林水産省に品種登録の出願を行った。
 「彩の子」は歯切れが良く、和・洋・中どんな料理にも使え、日持ちがよい。生産は樹皮堆肥と米ぬかの培地を基本とするが、オガコ系廃培地の再利用も可能である。また、従来品種で必要だった覆土処理工程が不要なことから、生産工程が短縮化されている。
 きのこ部門の試験研究は、この4月から森林研究所から、茶業・特産研究所へ移管されたが、今後、「彩の子」を「彩の国ブランド」きのこに育て上げるため、県内生産者への普及を図ることとなる。
 農林総合研究センター森林研究所のホームページはこちら。 http://www.pref.saitama.lg.jp/A06/BQ26/


D「本多静六」出身地からの情報発信

 日本初の林学博士本多静六の出身地、埼玉県菖蒲町では、「日本初の林学博士生誕のまち」として、全国に向けて情報を発信しています。
 埼玉県菖蒲町出身の本多静六は、日本で最初の林学博士として、明治神宮の造営や日比谷公園など数多くの都市公園の設計を手がけたことで知られています。 また、埼玉県大滝村の山林を県に寄付され、現在は氏の意志を継いで、「彩の国ふれあいの森」として整備され、多くの方々に自然・森林と親しむ施設として利用されているとともに、この山林から生まれる収益金により、本多静六博士奨学金制度が創設されています。
 氏の出身地の菖蒲町では、平成4年に氏に名誉町民の称号を贈るとともに、「生誕地記念園」を整備しました。さらに平成12年には町の生涯学習文化センター2階に「本多静六記念室」を開設し、平成14年には氏没後50年を記念した冊子「日本林学界の巨星 本多静六の軌跡」を発行し、全国の方々に、氏について更に理解を深めてもらうよう情報を発信しています。
 埼玉県が誇る郷土の偉人本多静六の出身地、菖蒲町や大宮公園、日比谷公園の「首かけイチョウ」など、氏の軌跡をたどってみてはいかがでしょうか。詳しくは下記の菖蒲町役場ホームページ・本多静六コーナーをご覧ください。
http://www.town.shobu.saitama.jp/
 
  冊子「本多静六の軌跡」
                  
                                     平地林施業の様子
E「森林施業計画」で平地林の保全を図れ!

 埼玉県のJAいるま野は、狭山市の平地林を対象に森林施業計画を作成した。これにより平地林の保全と相続税評価の軽減が図られるようになった。
 「森林施業計画」とは森林法第11条に規定される、森林所有者等が5年を1期とする植栽、間伐等の森林施業に関する計画を作成し、市町村長等の認定を受けることができる制度である。この計画に沿った管理を継続することによって、森林所有者は相続税の控除等の優遇措置が受けられる。
 埼玉県狭山市周辺の平地林は、かつては農用林として利用されてきたが、近年は手入れが放棄され、荒廃した森林も多く見られるようになっていた。
 そこでJAいるま野は、森林所有者342名の委託により、狭山市南部の森林122haを対象に森林施業計画を作成し、平成15年3月26日に狭山市長の認定を受けた。その後、森林所有者で構成される「さやま緑と里の会」が設立され、この1月と2月に森林ボランティアとの共同施業により除伐や下刈り等が実施された。また、相続も発生し、2件で相続税控除の手続きを行っている。
 JAいるま野では第2弾として大井町・三芳町の森林施業計画を作成し、平成16年1月20日に埼玉県知事の認定を受けている。
 平地林の雑木林で森林施業計画が作成されるのは、全国的にも珍しい事例と思われ、平地林保全の一つの施策として注目される。
 狭山市の森林施業計画の作成過程については、埼玉県森づくり課の「林業普及情報第15集」を参照していただきたい。(下記ホームページで閲覧できます)
埼玉県森づくり課  http://www.pref.saitama.lg.jp/A06/BG00/index.html


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